観察が重要
看護師としてインフルエンザに携わる際、重要なポイントとしてまず挙げられるが「観察」に関する部分です。高熱や悪寒、全身の倦怠感、関節・筋肉の痛みなどの症状を伴うのがインフルエンザですが、情報収集の際にはそれらの症状がいつ頃出てきて、どの程度のものなのかを確認し、バイタルサインの測定を行います。その上で、呼吸、循環、意識レベルの評価を行っていきます。また、周囲に同様の症状を持つ人がいるかどうか、その他の症状はないかなどを聴取していきます。
高齢者や免疫力が低下している患者の場合は併発病が怖いですよね。肺炎などは重症化しやすいので、長期的に症状が出ている場合や胸の痛みなどの症状がある場合は要注意ですよ。
小さい子どもの場合は、インフルエンザ脳症の可能性について考えておかなければなりません。意識障害やけいれんなどの症状がある場合は脳症を併発している可能性が高いですよ。異常行動が見られる場合、発症から2日間は目を離さないようにしなければなりません。異常行動については、抗インフルエンザ薬が一概に原因とは言い切れないので、その点も配慮しておきましょうね。
看護のポイント
発熱時に寒気や悪寒戦慄などの症状を伴うケースが多いので、その際は病室の温度調整や毛布による体温調整などが必要です。症状が治まったら、過度に体温を上げてしまわないように注意して、熱の放散を促すようにしてくださいね。氷枕は発熱に伴う症状の緩和や解熱に効果的です。患者は大量の汗をかくので、清拭や更衣のサポートをする機会も多いでしょう。脱水症状を起こさないように水分補給を促して、栄養状態の評価も同時に行っていきます。
また、入院時は患者を隔離して治療するので、普段の生活とは違う環境にストレスを感じることになります。そのため、環境調整や精神的なケアが求められますよ。
各所への連絡
検査のために病室の外に出る際には、事前に連絡して飛沫予防の配慮を行う必要があります。患者あるいは職員がインフルエンザを発症した際には即座に感染管理担当者に連絡してください。院内感染拡大防止のための防止策検討が必要だからです。もし、隔離にあたって病室が必要ならば、病床管理担当者への連絡も必要ですよ。
また、入院患者がインフルエンザになった場合には保健所へ連絡する必要があります。これは、全国500以上の医療機関が指定されており、報告は毎週行われています。既存の患者から重症化した患者や死亡者が出た場合にも報告が求められます。