注射(予防接種)のコツ!
正確な手順を知る
まず、患者に対して皮下注射(予防接種)の目的と手順を説明し、患者の間違いがないかを確認します。その上で注射をするにあたって適切な体位になってもらい、部位を出します。上腕で行うことが多いかと思いますがより確実に刺入部位を確認するためには腰に手をあててもらうといいですね。刺入部位は、肩と肘を結ぶラインの下から3分の1あたりです。また、部位をつまんで薬液の吸収が可能な皮下脂肪の厚さを持っているかの確認も忘れないでくださいね。
注射をする前に、部位の消毒が必要です。手袋を装着して、中心から外側に円を描くように消毒し、しっかり乾燥するまで待ちましょう。アルコール消毒は乾燥しないと効果を発揮しないですよ。
消毒が終わったら、いざ刺入です。利き手と反対の手で部位の皮膚をつまみ、注射針のカット面を上に向けて刺入していきます。その際、痛みやしびれがないかを確認し、問題がなければワクチンを注入していきます。また、血液が逆流した場合は中止してください。
ワクチンの注入が完了したら即座に針を抜き、止血の確認を行いましょう。注射器は使い捨てなので、注射が終わったらそのまま捨てます。最後に患者の衣服を整えてあげられたら親切ですね。
予防接種のコツを押さえる
皮膚は表皮・真皮・皮下組織で構成されており、それぞれ非常に薄くできています。外側にあるのが表皮で、中間が真皮、下にあるのが皮下組織で、さらに深いところには筋肉や静脈があります。皮下注射を打つのは皮下組織です。皮下組織に注射をする場合、刺入の角度は約30度がベストと言われています。角度が浅いと皮下組織まで届きませんし、角度がありすぎると筋肉や静脈に届いてしまいますよ。仮に静脈に注入してしまった場合は大事故につながりますので注意してくださいね。
30度の感覚を覚えるためにオススメの練習法は、広告や新聞紙などの角(90度)を3つ折りにして、箸などを注射器に見立ててイメージトレーニングする方法です。何回も練習することで、30度の感覚が身につきますよ。
また、注射後の部位を揉むかどうかですが、皮下注射で使用する薬液は体内にゆっくり吸収されるものがほとんどなので、わざわざ揉んで吸収を早める必要はありません。注射時の声がけについては、先輩看護師を参考にするといいかもしれませんね。注射をする看護師が緊張していると、その緊張が患者に伝わってしまいます。そうならないように、あくまでこちら側はリラックスした状態で注射ができるように準備しておきましょう。