家族がかかってしまったら?
看護の際に注意すべきこと
一緒に住んでいる家族がインフルエンザになってしまった場合、最も大切なのは家族内での感染を防ぐことです。まず、インフルエンザの疑いがある場合はすぐに医療機関に行きましょう。あらかじめ電話で診療時間などを確認し、受診の際はマスクを着けてくださいね。また、可能な限り公共交通機関の利用を避けるようにしましょう。
小児の場合、「けいれんの症状」「視線が合わない」「眠ってばかりいる」「意味不明の発言」「走り回る」「顔(唇)色が悪い」「呼吸が苦しそう」「水分をとらない」「尿が出ない」「下痢や嘔吐」などの症状があった場合、インフルエンザの疑いがあります。
成人の場合、「呼吸困難や息切れ」「胸の痛み」「嘔吐や下痢」「3日以上の発熱」「症状の悪化」が見られる場合に、インフルエンザの疑いがあります。
小児はインフルエンザ脳症に注意
インフルエンザ脳症を発症する可能性もゼロではありません。インフルエンザ発症後に急激に病状が悪化する病気で、特に小さい子どもを持つ人は注意しましょう。年間200人以上がインフルエンザ脳症を発症し、最悪の場合死に至ることもありますよ。意識障害や持続性のけいれん症状などがある場合は即座に医療機関に相談してください。また、解熱剤の使用により発症するケースもあります。
インフルエンザ脳症による異常行動には、「人物が正確に把握できない」「食べられるものとそうでないものを判別できない」「意味不明な言動」「幻視・幻覚的な訴え」「急に泣く・怒るなどの極端な情緒の変動」などがあります。
異常行動による事故
インフルエンザ脳症による異常行動とは別に、インフルエンザ単体による異常行動もあります。発熱後1~2日で表れ、その後1~2日ほどで快方に向かいますが、異常行動がきっかけで転落などの事故を起こし死亡するケースもあるので、注意してくださいね。抗インフルエンザ薬が原因で異常行動をすると考えている人も多いかと思いますが、実は薬を投与していなくても異常行動が表れるケースが多数報告されていますので、インフルエンザ発症後数日間は絶対に目を離さないでください。
異常行動の例としては、「突然部屋から出ようとする」「ベランダから飛び降りようとする」「自宅から出て、話しかけても反応しない」「意味不明な言動をしながら動き回る」などがあります。転落などの事故を防ぐために、玄関を含む部屋のカギを必ず閉め、窓に格子のある部屋で看病をするなどの工夫が必要ですよ。一軒家に住む人は、上階ではなく1階で寝かせるようにしてくださいね。