正しい治療法を知る
インフルエンザになったかもしれないと思ったら即座に診察を受けることが大切です。そこで陽性と判断された場合でも、正しい治療法を実践すれば症状を軽減し、症状がある期間を短縮することができますよ。
基本的な治療法
まずは、十分な休養をとるようにしてください。無理をすることは絶対にNGです。インフルエンザになったら、体内の免疫機能がウイルスを退治するために一所懸命活動します。その活動を邪魔しないように、激しい運動はせずにゆっくり過ごして、十分な睡眠をとりましょう。
また、発熱状態では多くの汗をかくので、十分な水分とミネラルを補給して脱水症状を防ぐ必要があります。コーヒーなどのカフェインを含むものは水分を排出する効果があるので避けましょうね。水や麦茶、あるいはスポーツドリンクが適しています。体力を落とさないように、できるだけ食事もとりましょう。とはいえ、内臓に負荷がかかるような食事ではなく、うどんやおかゆ、それがつらければゼリーやヨーグルトなど、消化にいいものを食べてください。揚げ物などはNGですよ。
高熱が出る場合、水分補給や食事が難しい場面もあるかと思います。その際には、首やわきの下、太もものつけ根を冷やして熱を下げるようにしましょう。あるいは、処方された解熱剤も効果的です。
薬による治療
インフルエンザに効く薬にはいくつかの種類があります。薬物療法においては、病気の原因を抑える「原因療法」と、症状を抑える「対症療法」があり、例えば先述の解熱剤は発熱の症状を抑える対症療法にあたります。
原因療法を効果的に行うためには、発症からできるだけ早い段階で抗インフルエンザ薬を投与することが望まれます。具体的には、発症から48時間以内ですね。なぜ早めの投与が必要なのかと言うと、抗インフルエンザ薬が持つ効果は「ウイルスの増加を防ぐ」ことなので、ウイルスの数がピークになってから投与してもあまり効果がないからです。インフルエンザになったことがある人なら聞きなじみがあるかもしれませんが、抗インフルエンザ薬で代表的なものと言えば「タミフル」と「ゾフルーザ」ですね。吸入タイプなら「リレンザ」があります。どれを使っても大丈夫ということではなく、年齢や症状によって使い分けるものなので、医師の指示をちゃんと守って使用しましょう。
発熱症状に対して使われる解熱剤ですが、一部の解熱剤は使用が禁止されています。それは、一部の解熱剤にはインフルエンザ脳症を引き起こす効果があるとされているからです。そのため、市販の解熱剤を併用したい場合は必ず医師へ相談してくださいね。